インスタやfacebookでは報告してましたがようやく先月末に引っ越しを済まし、念願のマイホームに住み始めました。マイホームとは言っても50年前に建てられた中古住宅を購入し、フルリノベーションして住んでいます。50年近く存在した既存の空間がある中に新しい空間も共存させていけるようなおおらかさのある空間を作りたいと思っていました。それは宮藤官九郎の「不適切にもほどがある」のドラマで描かれていた昭和のルーズな空気と令和のスマートな空気、それぞれが良いのですが、昭和と令和で大きく違うのは令和では合理的な思考や行動が価値を持ちすぎていて、今住んでいるこの世界が少し窮屈に思えたからです。
建築界でも気密性や断熱性など細かな数字が見える化し、数字化できない感覚的な事は重要視されず「居心地の良い空間=気密性、断熱性の高い家」みたいな風潮が進みすぎているように思えます。もちろんその通りの部分もありますが、それが全てではありません。気密性や断熱性はもちろん大事です。でもそこを守らない設計は時代遅れのような空気感が令和にはあるように思えます。
そこで自邸の設計ですから、実験的にいろいろと試してみたいと思い、既存の隠れていた小屋組み(屋根裏の部分)をすべてオープンにし、昭和世代でよく使われていた野地板や丸太の梁を露出させました。こうすることでおおらかな空気が家全体を包むような空間になるよう試みています。ただ家の中でもプライバシー性の高い子供室や寝室、浴室やトイレのユーティリティー部分はしっかりと気密性・断熱性を確保した空間を入子状に挿入し、各室は温熱環境を令和ばりに確保しました。
出来上がった空間はなかなかおもしろい雰囲気を醸し出しています。
先月末に撮影した完成写真が出来上がるのが楽しみです。
ちょくちょくこの家からの報告をブログでも紹介します。
みんな違ってみんな良い。そんな空間になれば良いな~と願っています。