5月の家

5 月 の 家

  1. 概要
  2. 設計にあたって

建築データ

所 在 地    山口県 岩国市
主要用途   専用住宅
構  造   三原建築設計事務所
構造・構法  木造(在来工法)
規  模   階数 地上2階
建築面積   64㎡
延床面積   109㎡
撮  影   クリハラ写真館 栗原芙由樹

設計趣旨

 住宅の設計を依頼された時にこの家族がどうしたらよりよく家族の「絆」を深める事ができるのか?とまず考えます。言葉にすると野暮ったく大変チープに聞こえてしまいますが、真剣に悩み続け最も重要視しなければならない要素だと気付き必ず間取りに落とし込んでいます。人が「絆」を感じると、自分の存在が希薄であり、限りなく透明に近い存在にはならないと信じているからです。花森安治が"みなさん物を大切に"という題の中に「ぼくら このごろ 少しばかり やさしい気持を なくしてしまったような気がする ごくたまに きれいな青い冬の空がみえることがある それを しみじみと 美しいとおもってみることをしなくなった」の一文があります。家の中でこのような美しい自然があるんだと気付けるような空間があり、それを家族でお茶でも飲みながら5分だけでもいい一緒に見る。ただそれだけで家族のつながりは深くなっていくと思います。気持を共有するそのことこそが「絆」を深めることだと考えています。

 「5月」の家での重要な部分はこのテラスです。家族のみならず友人も集まり海を見るだけでなく潮風や潮の香りを感じながらテラスで特別な時間を過ごす。そのことが全てだと考えています。竣工後にクライアントからお招きしていただき、このテラスで味わったバーベキューは最高の一時でした。このテラスが家族や家族の友人と特別なつながりを与え、より良い「絆」を育んでくれる事に期待しています。

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